「社会現象」とまで言われ異様な人気を勝ち得た、ガイナックス、そして庵野監督の傑作です。謎が謎を呼ぶ展開、魅力的なキャラクターと緻密な世界観、巧みな演出、そして質の高い音楽と作画、どれをとっても超一流の作品として話題を呼びました。
エヴァは前半はキツい内容ながらもだんだんと明るい学園物としても展開していきました。しかし後半、16話以降いきなりそれが変わります。スケジュール崩壊、庵野監督の試行錯誤などといろいろと話は聞きましたが、私には実際に何が起こったのかはわかりません。しかし、確実にその後エヴァは明るさを失い、精神と人間関係の崩壊に比重が移っていったのです。
正直言って前半の次第に明るくなっていく展開が私は好きでした。ですが、後半の、今まで作り上げてきた全てが無情に崩壊していく過程にも強く惹かれるのです。実際、どちらが好きか、と問われれば私は多分後半だと答える事でしょう。あのギリギリの緊張感、今まで積み上げてきたものが音を立てて崩れていく焦燥と悲しみ、無力感がたまらなく胸を締めつけるのです。『ライブ感覚』とも言われたあの緊迫感はリアルタイムで観ていた人にしかわからないのでしょう。
映画版の評価も微妙です。デスリバは前半だからともかく、真心の方はなにしろ最後がアレですから。しかも監督は鶴巻さんだし、どう解釈すべきなのか迷う所です。ニフティのフォーラムには様々なエヴァのラストシナリオがアップされていましたが、その中には映画よりも遥かに出来が良い…というと語弊がありますが、納得できるようなレベルの高いものがあったと記憶しております。
なんにせよエヴァは日本のアニメを代表する作品であることは確かです。ぜひ一度は見ておく事を強くお勧めします。っていうかこれを見ずしてアニメを語るなかれ、といえるほどの作品です。
おもえばこの作品で私もオタクに本格的に踏み込む事になったのでありました…。
人の山田様が見てる
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