GUNSLINGER GIRL

紹介・レビュー

 イタリアの対テロ秘密部隊、通称『公社』。『義体』とよばれる身体の大半をサイボーグ化された極めて戦闘能力の高い少女達を戦闘要員として使い、対テロ活動および非合法な作戦を行っている特殊部隊です。

 彼女達はそれぞれ瀕死の重傷を負ったり病気で死期が迫っていたりして親からも社会からも見捨てられた存在。その彼女達の記憶を消し、強靱な身体を与え、薬物による洗脳と訓練によって秘密作戦に使うのが公社でした。

 彼女達を訓練・指導するのが公社の職員の仕事です。なかでも専任の担当官と彼女達は『フラテッロ(兄弟)』と呼ばれて常にペアを組んで行動します。

 義体は担当官の指示には絶対服従。『条件づけ』によって愛情すら植えつけられる彼女達の寿命は短いものです。まず記憶力を失い、運動能力を失い、死に致る…その残酷な運命をみな知りつつ、それでも幸せを探し続けるのです。

 もちろん担当官達も好き好んで少女達を戦わせているわけではなく、それぞれに重く暗い理由があります。接し方も人それぞれ。道具としてリコを扱うジャン、妹としてヘンリエッタに接するジョゼ、適切な距離の取り方がわからなくて戸惑うトリエラとヒルシャー。彼等もまた苦しみます。

 可愛い絵柄と重い背景、そして綿密な銃器と戦闘シーンの描きこみが魅力的な本作は電撃大王に連載され、そののちアニメ化、ゲーム化されました。

 アニメはまあ相田さんとスタッフの間にちょいとトラブルもあったようですが、なかなか良い出来となりました。特に後半はオリジナル要素がうまく取り入れられ、物悲しくも綺麗な終わり方になったと思います。

人の山田様が見てる

凉武装商隊 since 1998/5/19 (counter set:2004/4/18)