蒼き流星 SPTレイズナー

紹介

バイファム、エルガイムの後に続くSFロボットアニメ黄金期の作品です。

 アンナ達16人の宇宙体験学校の生徒達は1996年10月3日、国連火星観測基地に到着しました。大歓迎を受けるアンナ達でしたが、そこに突然謎の機動兵器が襲来。青い機体と他の機体との戦闘に巻き込まれた国連基地はまたたく間に壊滅、スタッフや子供達も巻き込まれて次々と死んで行きます。

 米ソの戦争が始まったのかと考えた国連スタッフでしたが、スクランブル発進した米ソの戦闘機もその機動兵器に撃墜されるに及んで判断に苦しむことになります。

 戦闘が終結したときには国連スタッフのほとんどは死亡、宇宙体験学校の生徒もわずか5人しか生き残ってはいませんでした。そして彼らの前に降り立った青い機動兵器からは一人の青年が降りてきたのです。

「僕の名はアルバトロ・ナル・エイジ・アスカ。地球は、狙われている!」

 そう彼は告げたのです。

レビュー

 高橋監督らしいストイックな演出とリアルな戦闘表現が素晴らしい作品です。全体的に重苦しい雰囲気ながらも、生徒たちがだんだんとエイジとわかりあっていく過程も好きですね。特に親友が戦闘に巻き込まれて殺されたディビッドはエイジを憎んですらいたのですが、だんだんと親友と呼べる関係になっていきます。

 キャラが立っているのも特徴です。エイジ、ディビッド、アンナ、シモーヌ、ロアンにアーサー。先生は基本的に脇役で、主役はやはりこの六人の若者たちです。へたれなアーサーも実は良いアクセントになっており、彼がいるから救われる場面も多いのです。

 この大人はほとんどおらず、少年少女達だけで危機を乗り切って地球に帰るという展開は基本的にはバイファムと同系列です。しかしレイズナーでは日常生活に重点を置いていたバイファムの明るさはあまりなく、かわりに因縁や陰謀、嫉妬や確執などに重点が置かれています。このへんは好き嫌いの分かれる所でしょう。

 作品自体は残念ながら諸般の事情により(笑)打ち切り、第二部は五年時間を飛ばして、などというまあなんとかラストを描きましたというものになってしまいましたが、出来は本来素晴らしいものです。絵もキャラも物語もどれをとっても十分に一流で、これが売れなかったのは非常に残念なことでした。

人の山田様が見てる

凉武装商隊 since 1998/5/19 (counter set:2004/4/18)