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マリア様がみてる

紹介

　聖リリアン女学院…創立明治34年。長い歴史と伝統、優雅な校風を誇る名門女子私学です。この学園の高等部には独特の伝統がありました。スール(姉妹)と呼ばれるそれは、姉である先輩が妹である後輩を指導するというもの。ロザリオを渡す事で成立するそれはなによりも強い絆の証しです。

　同時になんとゆーかこれはソフト百合のカップル成立の証しでもありまして、乙女達は疑似恋愛(場合によっては本物の恋愛)状態で学園生活を過ごすのでありました。

　ドジっ娘の祐巳はある日憧れの先輩、ロサ・キネンシス・アン・ブゥトンの祥子様に「あなた、タイが曲がっていてよ」と注意され、手ずから直してもらって有頂天になります。それだけなら良かったのですが、なんとその後ふとした事で生徒会室、通称薔薇の館にやってきた祐巳は、祥子様から「妹になりなさい」と急に言われて目を白黒させる羽目になります。祥子様は先輩達から早く妹を作れ、とせっつかれていて、たまたまそこにいた祐巳に声をかけてしまったのでした。

レビュー

　「ごきげんよう、お姉様」

　この言葉を全国に行き渡らせた作品です。ソフト百合テイストに満ちあふれたスール制度も美しく、作者の意図に反してなぜかむさ苦しいオタクどもが群がる事になってしまった不幸な(?)作品でもあります。

　スール制度、赤・白・黄色の三薔薇様とそのつぼみ(ブゥトン)、さらにその妹(プティスール)の百合テイストな関係、そして魅力的なサブキャラ達を交えた上流階級の上品な学園生活が素敵な作品です。

　アニメは基本的に原作小説に忠実です。二十年前くらいの少女漫画みたいなキャラデザにずいぶんと非難の声もありましたが、またはち的にはとても雰囲気の良い作品だと感じられます。

　優しくて甘くて、それでいてちょっと切なさと悲しみのスパイスもちりばめられた少女達だけの学園生活…そりゃこんな学園がこの世にあるわけはないのはわかってますが、良い物ですよ。