人魚の傷

紹介

 「人魚の肉は不老長寿の妙薬。それを食べれば永遠の命を得るという…」

 湧太は500年前にその人魚の肉を食べ、不老長寿の身となってしまった人間です。普通に死ねる身体になりたい、と願いその方法を探していましたが、未だにその方法は見つかっていません。

 ですが彼はその代わりに大切な人を得ました。真魚…同じく人魚の肉を食べ、不老不死の身体になってしまった少女です。わけあって人里から拉致され、15年にわたって箱入りの状態で育ってきたこともあって(もともとの性格もありそうですが)かなり破天荒というか非常識な彼女とともに、湧太は旅を続けていきます。

 彼らはある時電車の中でお母さんに会いに行くという少年と知り合います。彼と同じ駅に降りた湧太達は母親に走り寄っていくその少年を微笑ましい気持ちで眺めたのでした。

 その街で少々金を稼ごうと土方仕事に精を出す湧太でしたが、そこで奇怪な噂を耳にします。彼の少年の母親は、ボートの事故で全身火傷を負い確かに死んだはずなのに、しばらく後には傷一つない姿で街に現れたと言うのです。

 もしかしたら人魚の肉を・・・・。そう思った湧太達は探りを入れるために少年の家に行きますが、そこで見たのはハサミを振りかざして少年を殺そうとしている母親の姿でした!

レビュー

 原作に忠実な作りとなっています。ただそれだけに原作を何度も読んだ身としては今ひとつ意外性がないというか…。まあこれで原作とかけ離れた話になっていたらそれはそれでイヤだと思うんでぜいたくな話ではありますが、ちょっと工夫がほしいところでもあります。

 真魚が湧太を助けるために命をかけて奮闘するところは本人は自覚していないようですが、『愛』ですね。

人の山田様が見てる

凉武装商隊 since 1998/5/19 (counter set:2004/4/18)