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ふしぎの海のナディア

紹介・レビュー

　あのエヴァの監督であった庵野監督が、エヴァの前に手がけていた作品です。NHKで放映されていたのですが、GAINAXは孫受けだったために制作費がキツくて、庵野監督が個人的にコーヒーを奢って原画を描いてもらったとかいう話もあります。

　チューブブラで元気に跳ね回るわがまま少女のナディア、発明家を目指し、実際に飛行機まで作り上げるほどの技量をもっているのに不幸にもナディアに一目惚れしてしまったジャンの二人を主人公とした海洋冒険物です。ナディアはなんと黒人。ヒロインが黒人(ハーフっぽいですが)というのはとても珍しいのではないでしょうか。

　原作は『海底二万マイル』とか言ってますが、どっこにもそんなおもかげは残ってませんな。かろうじて潜水艦ノーチラスっていう名前がそれって言うだけで…おおかたNHKの担当者をだまくらかす手じゃないか、などとも疑ってしまいそうです(笑)。

　途中に『島編』と呼ばれる海外発注のために作画ががたがたになったエピソードをはさみ、ジャンとナディア、そしてノーチラス号の乗組員たちが世界征服を企むガーゴイルと戦います。最後はパリ上空での大戦闘！庵野監督とGAINAXの演出はこのナディアでも冴えまくっていました。

　非常にレベルの高い冒険ものの作品で、今見ても一流としか言い様がありません。文句なしにお勧めします。