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ストラトス・フォー

紹介

　隕石の襲来の急激な増加によって危機的状況に立たされている地球。地上を隕石から守るために国連は迎撃組織『天体危機管理機構』を結成。やがてそれは軌道上で一次迎撃をするエリート部隊、コメットブラスターと、その撃ち漏らしを除去するとともに将来のコメットブラスターとなるために訓練を積むメテオスイーパーへと分かれます。

　本庄美風は一家揃ってパイロットというエリートの家系で才能も充分ですが、そのぶんレールに乗ってきてここまできてしまい、自分の役目ややりたい事がわからなくなってきてしまっています。その彼女の成長と、隕石襲来という出来事の裏の事情とが平行して物語を形作っていきます。

レビュー

　非常にレベルの高い作品です。メインの登場人物が全員美少女というまあ狙った作品なのですが、注目すべきはその凝った設定とマニアックなメカ達。

　美風達の乗るTSR.2MSというのは1980年代に開発中止になったイギリスの攻撃機、練習機は旧ソ連のYak-28です。ストラトス・ゼロはオリジナルですがその元ネタはハスラーともバルキリーとも言われ、これまたかなりマニアック。

　マニアックさは演出にも生かされています。

　メカニコンH.Q.O.という同人サークルさんが出していた『動画な傑作機　TSR.2MS/ストラトスゼロ』では詳細な検討がなされており、アニメにするために妥協した部分はあるものの、ミッションの時間や距離などはかなり正確な考証がなされているとのことです。

　あのお尻を突き出す扇情的ともいえるライディング・ポジションも例のないものではなく、実際に試した事はあるようです。まあ現実にあれをやると頭から血が抜けて気絶するでしょうけれども、あそこは見栄えと色気(wをとったと言うことでしょう。

　そのようなところは置いておくとしても、実に面白い物語です。序盤は美風の成長を、後半は非常に大きな謎を追うというメリハリのきいた展開も良し。

　OVAが続編として出されましたがまだまだ残されている謎は一杯です。できればまた1クールくらいのテレビものになればいいですね。